お酒が飲めない人の割合って、そもそもどれくらいなんでしょう?
人によってお酒の強さに違いがありますが、いったいどのくらいの割合でお酒が飲めない人って存在しているのか知っていますか?
そして、このお酒の強さの違いって、いったいなぜ起こるのでしょう?
その謎について、この後詳しく説明しますので、ぜひ楽しんでください。
酒飲めない人の割合は、日本人のおよそ1割ほど
日本人のお酒が飲めない人の割合は、6~7%。
この6~7%に該当する人は、お酒の分解に関わるある酵素の活性が全くない人の割合となります。
お酒の強い人は、酵素の活性が強い人であり、日本人の中での割合は55~57%。
そして、この酵素の活性が弱く、日本人の中での割合が37~38%となる人たちは、お酒は弱いがほどほどに飲める人、となるわけです。
簡単にまとめると、この酵素に関して、活性がまったくない人、そして活性が強い人、弱い人に分類されます。
お酒が飲めない人は、酵素活性がまったくない非活性型を持ち、お酒に強い人は代謝速度が速い活性型を持ち、逆に代謝速度の遅い低活性型を持つ人はお酒は飲めるが弱いタイプ、という関係になるわけです。
お酒の強さには、酵素が関係していることがわかりましたが、もう少しその仕組みを詳しく説明しますね。
酒飲めない人の割合、違いはどうして起こる?
違いを生む仕組みについて
お酒の中のアルコールは、ひとまず肝臓で分解されてアセトアルデヒドに変わります。
このアセトアルデヒドが悪酔いの原因であり、お酒が弱い人の体調を悪くしてしまう張本人。
そして、このアセトアルデヒドはALDH2という酵素の働きで人体に無害な酢酸に変わります。
つまり、お酒に強い弱いを決めるのは、ALDH2の活性度合いによるということです。
ここまでくると、上の章でお伝えしたこととつながったかと思いますが、このALDH2には3つの型があって、酵素の活性が強い人と弱い人、そして活性がまったくない型に分かれるわけです。
お酒に強い人は「アセトアルデヒドの代謝速度が速い活性型」を持ち、逆に「代謝速度の遅い低活性型」はお酒に弱く、「酵素活性がまったくない非活性型」を持つ人はいわゆる下戸というお酒を体質的に受け付けないタイプということ。
飲める・飲めないは生まれたときから決まっている?
なお、自分がどの型を持っているかは、親から受け継ぐ遺伝子の組み合わせによって決定されます!
つまり、後から自分の型が変わることはありません。
ただし!実際は個人差がかなりあるようです。
遺伝のほかにも、体内の水分量、体重の差もあれば、以下のように、男女の差、年齢の差、体格の差などの要因が、お酒の強さに関してかなり影響することが知られています。
- 男女差・・・男性よりも体内の水分量が少なく、体格や肝臓も男性より小さいため、女性は男性に比べてお酒が弱いと考えられます。
- 年齢差・・・若者に比べて体内の水分量が少ないため、高齢者はお酒に弱いと考えられます。
- 体格の差・・・体格の良い人の方が肝臓も大きく、その分代謝速度が速く、お酒に強いと考えられます。
さらには、「代謝速度の遅い低活性型」はお酒に弱いのですが、実は、飲む機会を増やすと、
おもしろいことに、強さが増していくことがあります。
簡単に説明すると、アセトアルデヒドを分解する酵素と、もう一つアルコール代謝を担うチトクロームP450という酵素の2つが、それぞれお酒を飲むたびに活性が上がり、お酒の量が増えても体の不調が現れにくくなるのです。
酒飲めない人の割合、外国人はどうなの?
なぜか。
はるか昔に、モンゴロイド(黄色人種)の中で突然変異が起こりALDH2の活性をなくしてしまった人が出現した。
そして、時が流れ、その突然変異の遺伝子が脈々と受け継がれ、モンゴロイド系にはお酒に弱い人が徐々に、徐々に増えていったと考えられます。
このため、現代の世界で、黒人、白人にはALDH2が低活性型、不活性型は存在せず、お酒が弱いタイプというのは、我々黄色人種だけにみられる特徴となったのですね。
まとめ
お酒に強い弱いを決めるのは、アセトアルデヒドを分解する酵素ALDH2の活性度合い。
「代謝速度が速い活性型」を持つ人は、お酒に強く、日本人の55~57%
「代謝速度の遅い低活性型」を持つ人は、お酒に弱く、日本人の37~38%
「酵素活性がまったくない非活性型」を持つ人は、いわゆる下戸で、日本人の6~7%
ただし、上記はあくまで、ALDH2酵素の活性タイプの割合に過ぎません。
お酒が弱いと自覚している人も、そうでない人も、先に述べたように、個人差もかなり関係してきますので、一概に強い・弱いと判断せずに、自分の体調と相談して、ゆっくり適量を探すイメージでお酒を楽しみましょう!
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